福岡支店の木村さんからご指名頂きました、鹿児島支店 上野憲治(憲ちゃん)です。
あれは忘れもしない(特に妻が)、1回目の結婚記念日、2004年10月26日の事でした。妻が出産を終え、実家から自宅に帰ってきて、初めて長女(結衣)と二人っきりで家にいた日、1本の電話がお昼の『2時』に入りました。それは、大号泣していた憲ちゃんからの電話でした。
憲ちゃん「けん・じ・だけど・・・。」 {大号泣な憲ちゃん}
妻 「えっ!?」 {いきなり大号泣な為、びっくり!!}
憲ちゃん「え、じゃないってぇー、けんじよぉー。」 {やっぱり大号泣な憲ちゃん}
妻 「何ふざけてんのぉ~~??(笑)」{友達がいたずら電話をしてきたと思っている}
憲ちゃん「ふざけてないってぇ。事故ったんだ・・・。今から警察に代わるから・・・。」
そうです、憲ちゃんから人身事故を起こしたという報告の電話でした。
警察 「私、警察の□□と申します。・・・・(詳細)・・・・。」
《警察官役 T君》
警察に電話を代わり、警察から女の子の名前、年齢、意識不明の重体で救急車にて搬送中との報告、事細かく説明され
警察 「自動車運転過失傷害にて逮捕します。今から警察署に向かいます。保釈保証金(保釈金)などは弁護士に聞いて下さい。」
と、間髪入れずに、既に現場にいた弁護士に電話を代わり早口で専門用語ばかりの説明を結構な時間聞かされた妻は、突然の憲ちゃんからの報告でパニックを起こしており、極論である質問を弁護士に投げかけました。
妻 「お金を払えば、今日帰って来れますか?」
弁護士 「・・・(色々な諸経費の話し)・・・、合計50万必要になります。女の子が亡くなってからでは遅いので、近くに銀行はありますか?」
妻 「あります。」
弁護士 「よかったです。それでは銀行に行ったら手続きがありますので連絡をして下さい。」
携帯番号を伝えられ、とりあえず電話を切った妻は銀行があることを即答したが、生後間もない長女がいる為に銀行に行けないと思い、私の母に電話を入れました。
妻 「もしもし、憲ちゃんが人身事故を起こしたみたいで、女の子が亡くなる前に保釈金を50万準備しないといけないのですが、銀行に行けませんか?」
母 「間違いじゃないの??」
妻 「間違いじゃなさそうです。憲ちゃんも号泣していて・・・。」
母 「お父さんに電話してみるね。」
突然の報告に驚きを隠せない母は声を震わせながらのやりとりだったそうです。妻はふと郵便局での振り込みができないか、先ほどの弁護士へ電話をしました。
《弁護士役 J君》
弁護士 「もしもしぃ?」 {友達からの電話を取るような軽い感じの対応}
妻 「上野の妻ですが。」
弁護士 「はいっ!銀行に着かれましたか?」 {スイッチが入ったように切り替えて}
妻 「いいえ。代理の者が行ってもよろしいですか?」
弁護士 「代理って誰ですか??」
妻 「母です!」
弁護士 「えっ!?」
妻 「主人の母です!」
弁護士 「あ~~あ~~・・・。お母さんですね、大丈夫です。」
母に連絡を入れてから、若干冷静を取り戻してきた妻は弁護士への電話で違和感を覚えていました。そのとき母から連絡が入り、本人にもう一度連絡を取ってみるよう言われ、携帯につながらないのは分かっていたので、会社に連絡することになりました。
事務員 「はい、アイティーアイでございます。」
妻 「主人から先ほど事故を起こしたという連絡がありまして・・・。
携帯に電話してもつながらないのですが、会社には連絡ありましたか?」
事務員 「事故があれば会社にも連絡が入るはずですが、今のところありませんので、
こちらからも連絡を取ってみます。」
私にはもちろん連絡が取れず、当時上司であった木下係長(現、木下課長)へ連絡が取れ、私の状況が確認できました。
私は、当時担当していた施設のアブレーションの症例中だったのです。
症例が終わり、たくさんの着信履歴を見て妻に電話をして驚きました。自分の知らないところで『憲ちゃん』が事故を起こしており、保釈金?を支払う寸前だったと。そうです。途中でお気づきだとは思いますが、『オレオレ詐欺』に騙されそうになったのです。
ぎりぎりのところで50万もの大金を振り込まずにすみましたが、当時流行り?出していた『オ レオレ詐欺』の対象になるとは思ってもいなかった妻でした。実際に電話が来ると、最初はいたずらかと思っていられるのですが、あまりにも役に徹している 為、本当の事に思えてくるらしいです。
当時の『オレオレ詐欺』のポイントは、
・ 『2時頃』に電話が来る。 銀行が3時までなので考える猶予を与えない為。
・ 本人が登場し、すぐ代理のものに代わる。今回は号泣しており本当に本人なのか微妙だが、緊急事態でそれどころではない。
・ 弁護士や警察官が登場し、専門用語を早口でしゃべり、本当と信じ込ませる。
貴重な体験をした上野家です。きっと社内で電話が掛かってくる『オレオレ詐欺』に会った人は 少ないと思います。ただ、『詐欺』にも種類があり、サイトの利用、登録、退会、延滞料金の支払いを要求する『架空請求詐欺』に引っかかりそうになった方は 意外と多いかもしれません。『オレオレ詐欺』『架空請求詐欺』を『ウィキペディア』で調べたら、
従来、「オレオレ詐欺」(別名「なりすまし詐欺」)や「架空請求詐欺」、「融資保証金詐欺」などと呼ばれていたが、手口の多様化で名称と実態が合わなくなったため、2004年12月9日に、警察庁によって統一名称として「振り込め詐欺」と呼ぶことが決定された。
との事でした。『ウィキペディア』には色々な症例報告が載っております。是非皆さんも詐欺に引っかからないよう勉強をしておきましょう。人間冷静さを欠かしたらとんでもない事をする生き物です。
『ウィキペディア』便利なサイトがありますね。
次回は、大村支店の柳田先輩です。よろしくお願い致します!