指名を受けました、鹿児島支店の中川です。
去る、9/4(日)天陽会中央病院の新館落成記念市民公開講座があり、出席しました。その中で、宝塚市民病院緩和ケア病棟のチャプレンカウンセラー 沼野尚美先生の講演に感動しましたのでご紹介したいと思います。
沼野先生は武庫川女子大学薬学部卒、その後、神戸ルーテル神学校で神学修士号を取られ、米国ケンシントン大学大学院で心理学カウンセリング修士号をとられた、異色の経歴の持ち主です。
演題「共に支え共に生きる」約一時間の講演で、緩和ケア病棟の末期がん患者さんとのふれあいの中で先生が今まで経験してきた事を中心に話をされました。
さて、今回、特に心に残った話を2件。
まず、本物について
「末期がんの患者さんに接する際、一番大切なことは、その人の心に寄り添う事です。それができる為には、本物にならなければならない。プロフェッショナルではだめなのです。本物はプロフェッショナルとは違う、そこには、人格と品性が伴う。その人が、大変な苦労や困難に直面したとき、ひとつひとつに逃げることなく向かい合いどのように対応してきたかで決まる。苦労が自動的に本物を作るわけではない、努力が必要なのです。」と話されました。
以前、読んだ「野村ノート」(著者:元楽天イーグルス野村克也監督)の冒頭に
心(考え方)が変われば、態度が変わる
態度が変われば、行動が変わる
行動が変われば、習慣が変わる
習慣が変われば、
人格が変わる
人格が変われば、運命が変わる
運命が変われば、人生が変わる。 という言葉がありました。
やはり、先ずは前向きな考え方が大切と思うので、実行していきたいですね。しかし、これを継続するのが意外と難しい…私も本物目指して、もっと苦労と努力をせねば!
次に、絆について
「余命幾日かの患者さんの所に、見舞いが、誰も来ない。身内の人は居るだろうが、来ない。息子さ んが一人いるはずなのに、来ない。話を聞くと、絶縁状態で連絡も取ってない。親身になってお世話をしていたナースの話では、患者本人が酒と女におぼれ、決 して良い父親ではなかったと…、今更、合わせる顔がないと…やがて、意識がもうろうとなった患者さんの所に、息子さんが家族で来られました。ナースが何と か、連絡を取る事が出来たんですね。しかし、たいした会話も無く帰ってしまった。
翌日、息子さんが一人で来られて、ベッドサイドに座っておられました。すると、患者さんが振り絞る様な声で、こう言ったのです、ごめんな…と。息子さんは、そんな事ないよ、お父さん、僕を生んで育ててくれてありがとう と」
最後は、やはり家族なのだそうです。先生の話を聞いていると家族の絆は、共に泣き、笑い、怒り、喧嘩し、喜び、そういう経験が多ければ多いほど深まるのだ、ということを改めて思いました。
「ごめんね」「ありがとう」という言葉は、多くの心が解け合う事が出来る言葉なのですね。「そげん事、言わんでも、わかっとるやろう」では、だめですね…。たまに家に帰ったときは、おっかない奥さんと話をするように、心がけるようになりました。
先生は「死ぬまでに何をするかではなく、何を話すか、が大切です」と話されました。
他にも、沢山の経験を話されました。ご出身が、関西なのか、関西弁が随所に出てきて、また、その 関西弁が、笑いと涙を誘うんですね。(文中のお話は標準語になってます、あしからず。)本当は、二番目の講演 文化功労者で作家の曽野綾子先生の「なぜ日 本人は成熟できないか」がメインイベントだったのですが、一番目の沼野先生の話に感動しすぎて、今ひとつに思えてしまいました。
皆さんも機会があれば、是非、笑いあり涙ありで感動に包まれる 沼野先生の講演を聴講してみては!
後日談として、先日の敬老の日、久しぶりに実家に帰った私は、親父と芋焼酎を飲みながら「なんか 言葉で伝えんばいかん」と思いながら、いささか飲みすぎ、ほぼ大半を親父の好きなジャイアンツとパチンコと囲碁の話で盛り上がり、何一つ伝えることが、出 来ませんでした…次回、再挑戦です。
次回の徒然なるままに…は 尽くしてくれるママに、されるがままの、福岡支店 田中副支店長です。 どうぞ宜しく。